肘内障
ひじの細い靭帯がずれる状態で、急に手を引っ張るとひじが抜けたようになります。
原因・状態
幼稚園程度の年齢の子どもによく起こりますが、手を強く引っ張られたときに、腕がだらっとして、まるで「ひじが抜けた」状態になることをいいます。これは脱臼ではなく、ひじの関節の細い輪状の靭帯がずれた状態です。
骨と骨とを輪のようにつないでいる靭帯が未発達なために起こるもので、靭帯が十分に発達する7才以降にはほとんど見られません。
この状態になると、子どもは痛がって泣き、腕をダラリと下げ、ひじを曲げることができません。あるいは、手のひらを後ろに向けた状態でじっとしています。
整復法
手のひらを上に向ける状態にして肘関節を支え、そっとひじを曲げます。すると、ひじの部分にコリッといった手ごたえがあるはずです。この音が、肘内障が元に戻る音で、これでひじは元どおり曲がるようになります。
ひじが戻っても、しばらくは無理をさせず、様子を見ましょう。子どもがひじを自由に動かして遊ぶようなら、心配はいりません。
ご心配でしたら、ご来院ください。整復いたします。
くせになってしまったとしても、7才を過ぎると靭帯が強くなり、たびたび起こすことはなくなるので、そう心配することはありません。